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【DCI】2026年サンタクララ・バンガード『With Reckless Abandon』を読み解く(公式ニュース)

Photo by Drum Corps International

DCI公式サイトで、サンタクララ・バンガードの2026年プロダクション『With Reckless Abandon』に込められた4つの表現が、デザインチームの言葉とともに紹介された。

タイトルが示すのは、危険を顧みず突き進む無謀さだけではない。束縛から自分を解放し、弱さも含めてありのままの自分を受け入れること。その二面性が、音楽、衣装、鎖、縄跳びなどを通して描かれている。

危険と自由を併せ持つ無謀さ

タイトルには、限界へ近づきすぎる危うさと、弱さをさらけ出し、自分自身を見つけて受け入れることで得られる自由という二つの意味がある。若者たちが共感しやすいテーマだからこそ、メンバーは自分の内側にある混沌や衝動を、フィールド上で率直に表現できるという。

ショー全体では、抑圧され、縛られた状態から抜け出し、自由へ向かっていく感情の流れが描かれる。精密に整えられた動きだけではなく、若さゆえのエネルギーや危うさを前面に出し、観客もメンバーとともに同じ変化をたどるように構成されている。

衣装と鎖が描く束縛

衣装は、モトクロスをはじめとするエクストリームスポーツから着想を得ている。合成皮革のジャケットや、パンツの上に重ねた破れたショートパンツが、限界を押し広げようとする若者の反抗心を表現。ブラスの衣装は、楽器を構えている間は腕を覆い、下ろした瞬間に肌が見える構造となっており、そこに弱さや無防備さが込められている。

カラーガードは、白と黒のスクールユニフォームを思わせる衣装で、別の角度から若さを表現している。さらに、腰や腕を縛る鎖や、フィールド上に置かれた大型の鎖が、自由へ進む前に存在する束縛を象徴。同時に、メンバー同士を強く結びつける関係も表している。

3音と4音が生み出す緊張

音楽面では、映画『西部戦線異状なし』の『Remains』に登場する不穏な3音のモチーフが、第1楽章を支配する。ショーの冒頭から繰り返される重く攻撃的な響きが、作品全体に危険と緊張をもたらしている。

そこへ、バルバトゥーキスの『Baianá』に登場する4音の旋律が重なり、対照的な二つが交錯していく。ショーが進むにつれて『Baianá』のテーマが存在感を増し、冒頭の3音も最後には解決され、別の姿へ変化する。束縛から解放へ向かう流れが、音楽の構造にも組み込まれている。

縄跳びが象徴する若さと解放

ショーには、意外なビジュアル要素として縄跳びが登場する。縄跳びは子ども時代や若さを象徴する一方、高い運動能力に加え、振付や芸術性も必要とすることから、ドラムコーとの共通点があるという。縄跳びを振付の中へ直接組み込むことで、若者の無邪気なエネルギーと、束縛から飛び出していく解放感を視覚的に描いている。

『With Reckless Abandon』は、無謀さを単なる暴走としてではなく、弱さを受け入れ、束縛を打ち破って自由へ進む力として描く。音楽、衣装、鎖、縄跳びという異なる要素が、一つの表現として結ばれた作品となっている。

※本記事はDCI公式ニュース(2026年7月8日)をもとにまとめています。

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