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【DCI】ジェネシスの2026年プロダクション『Abstract』は進化するアート作品(公式ニュース)

Photo by Drum Corps International

DCIは、ジェネシスの2026年プロダクション『Abstract』を紹介した。物語や特定の主人公を置くのではなく、フィールドそのものを変化していく抽象画のように見せていく作品となる。

作品全体の軸になるのは、リンジー・スターリングの「Eye of the Untold Her」。この楽曲が、ショーを通して繰り返し現れるメロディのアンカーになるとのことで、冒頭に置いた原曲動画からも、繊細さと勢いが同居するような空気を感じられる。

『Abstract』は、ロシアの抽象画家ワシリー・カンディンスキーの作品から一部着想を得たプロダクション。ショーは白黒やグレースケールの世界から始まり、そこへ少しずつ色彩や複雑さが加わっていく構成になるという。中央に置かれた抽象画のミューラルを起点に、プロップや衣装、ビジュアル要素が広がり、最終的にはフィールド上に新しいアート作品を作り出していくイメージ。

音楽面では、はっきりしたストーリー展開や感情の流れに沿うというより、抽象画の持つ予測できない動きや感情の揺れを反映する方向。ジェネシスのエグゼクティブ・ディレクター、クリス・マゴニガルは、今年のショーには伝統的なバラード楽章がなく、過去の作品よりも成熟した音楽的アプローチになると語っている。

アグレッシブなパーカッション、重なり合う音楽の質感、次々に変わるムードの中で、「Eye of the Untold Her」のメロディが作品全体をつないでいく。きれいに物語を追わせるというより、音や動きの変化そのものを感じさせるショーになりそう。

ビジュアル面では、ジェネシスにとって近年でもかなり意欲的な作品になるようだ。ショーで使われるミューラルやアートワークは既存作品をそのまま使うのではなく、専任のグラフィックアーティストによるオリジナルとのこと。カンディンスキーとのつながりを感じさせながらも、ジェネシス独自の作品として作り上げていく姿勢が見える。

さらにこのショーは、シーズンを通して物理的にも進化していく作品になるという。色、プロップ、動きがどのように変化していくのかを探りながら、演奏や演技の完成度とともに、作品そのものも形を変えていく。完成された絵を最初から見せるのではなく、夏のツアーを通して変わっていくアートとして見せていくところが面白い。

ジェネシスは、メンバーの定着率やチーム内の雰囲気にも手応えを感じているという。組織としての土台づくりと作品づくりが重なっていく中で、『Abstract』が2026年シーズンにどのように変化していくのか注目したい。

※本記事はDCI公式ニュース(2026年5月13日)をもとにまとめています。

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